冠動脈瘻に対しカテーテル治療を行った症例の長期予後に対する検討
神奈川県立こども医療センター循環器内科
目的:冠動脈瘻(coronary arterial fistula: CAF)に対するカテーテル治療の長期的な予後を検討すること.
方法:対象は当院にてCAFに対してカテーテル治療を行った7例(年齢中央値1歳2か月)で,経過を後方視的に検討した.観察期間中央値は8年2か月(3か月~22年).治療法について検討するとともに,残存短絡の有無と冠動脈の形態について冠動脈造影により評価した.
結果:CAFは遠位型4例,近位型3例であった.全例,冠動脈の末梢側に各種デバイスを留置しCAFを閉塞した.中央値1年2ヶ月後と5年7ヶ月後に冠動脈造影を施行し,全例CAFは完全閉塞し,血栓形成や閉塞も認めなかった.形態については,正常化4例,caliber change 2例,盲端1例であり,4例では,抗血小板剤や抗凝固薬の内服を継続している.
結論:CAFに対するカテーテル治療の長期予後は良好である.冠動脈拡張を残す症例や狭窄病変を認める症例には,抗血小板剤や抗凝固薬の内服の継続を行う必要がある.
Key words: Coronary artery fistula; transcatheter closure; Amplatzer Vascular Plug; antiplatelet agent; anticoagulant
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